◎平成18年3月


 昔、滑りの悪い板の雨戸を閉める時、祖母から「押してダメなら引いてみろ」と教わりました。時はくだり現在では、雨戸ならぬ布教の原稿を練るときなど、話材は何を?組み立てはどうすれば?机に向かえば向かうほど「行きづまっている」ワタクシであります。
 そんな時私は、一度机を離れて、庭掃きや草取りに没頭したり、本堂で坐禅を組んだりします。すると「行きづまって」いたのがウソのように、頭の中で絡まりあった糸が解け、良いアイデアに巡り会えたことがたびたびありました。不思議なものです。きっと締め切りが迫り頭がカーッとなることで、心の中で見えない何かが邪魔をしていたのだと思います。
 何か壁にぶつかったり、悩みの渦に巻き込まれたりした時は、その想いを一度放ち忘れて、心を空っぽにしてみること、コレお勧めです。

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