◎平成27年9月

 「そりゃ和尚さん!得意や苦手なことはあるし、下手くそより上手な方がイイじゃない?」という声が聞こえてきそうです。確かにごもっとも!私だって<上手>と評価されるのは嬉しいものです。
 しかし【力を尽くす】ということを考えると、得意苦手であったり、上手下手であったりという見立てが邪魔をしてしまうことはないでしょうか?
 禅の教えに【随所作主(随所に主となる)】という言葉があります。どんな場所どんな時間でも、自らが主人公として精一杯に力を尽くす姿勢を尊びます。得意苦手/上手下手の見立てに縮こまってしまうよりも、つま先だけでなくグッと全体重を移動して事に臨む…。自らが主体的に歩むことによって新たな世界が広がって来るはずだ!と、背中を押されているような気がします。
 まずは精一杯。評価はあとからついてくる…。自分自身にも言い聞かせていこうと思います。


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