◎平成17年3月

 境内墓地の方で、毎月決まった日にちにお墓参りにお越しになる方が何組かおられます。暖かくなったこともあり、庭掃除をしている折に、お話しする機会がありました。
 聞くところ、つれ合いを亡くされてから数年、月命日のお墓参りを欠かさずお勤めとのこと…。とても尊い姿だと思います。曰く、「最初のうちは毎月毎月が面倒だったけど、今では、来ないと逆に気持ちが落ち着かない」。きっと、花を供え、お線香を灯し、墓石を磨く中で、1ヶ月のうちにあったことをご先祖様に報告し、つれ合いを亡くされた悲しみを少しずつうずめておられるのだと思います。
 それぞれのお宅の墓所。お遺骨を納める場所であるのみならず、私たちの心を映し、ご先祖様のもとで自分自身と向き合える“鏡のような場所”であって欲しいものです。

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