◎平成18年9月


 本山での修行生活の日課に、拭き掃除/掃き掃除があります。一般には、汚れたらするのが掃除ですが、先輩修行僧からは、「キレイでも毎日同じようにやる!自分の心を掃除すると思ってやれ!」と教わりました。
 この時期、庭に落ち葉が絶えることがありません。決して大地を汚そうと葉を散らしているのではなく、自然の摂理の中で、1枚また1枚と葉を落とすのが植物の営みです。
 私たちの心はどうでしょうか?決して貪りや怒りの心を起こそうと意図していないにもかかわらず、知らず知らずのうちに欲望や損得勘定に支配されてしまうのが「人の心」であります。
 欲望に身を任せていても、全てを満たされる日はやってきません。時に立ち止まり、省みながら、庭の落ち葉を掃くように「自分の心を掃除する」ことが安心へのひとつの道になるのではないでしょうか?

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