◎平成19年1月


 今年1月、財政破綻により成人式への行政補助がなくなった北海道夕張市で、カンパを募りながら実施された成人式がありました。困難な中で開催にこぎつけた実行委員の方が、涙ながらに喜んでいる様子が印象的でした。困難に向き合い、やり遂げたからこその涙だと思います。
 仏教では「四苦」と称し、生きとし生ける者、必ず生老病死の苦しみを背負うと説きます。苦難にぶつかったときに、そこに向き合うのか?目をそらすのか?そのときの結果はもちろん、自分の人生そのものまでも大きく変わってくることでしょう。
 命ある以上、生老病死の苦しみとお付き合いしていかなくてはならないのです。解決をほかに求めるのではなく、苦しい時も我が事として受け入れながら、焦ることなく着実に一歩一歩歩みを進めるほか道はありません。その道は必ず安心へと通じているはずです。

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