◎平成20年9月


 数年前のとある仏画教室でのこと、あとは目を描くだけ、ほぼ完成に近づいた私の絵を前に、仏画師の先生がおっしゃいました。「一点を見つめるのではなく、四方八方に眼差しが届くように目を描いて下さい…」難しい指摘を受け、必死で目を描きました。先生曰く、「仏さまの眼差しはいつでもどこでも注がれているのですよ」と。
 「苦しい時の神頼み」という言葉があります。私たちの多くは、辛く苦しい時に、神や仏を強く意識するようです。しかし、この句にあるように、仏さまからの光は、仏画の眼差しと同様、平穏に楽しく過ごせている時も変わらず、私たちの周りへと降り注いでいるはずです。
 その光を受けながら、万事順調な時は《おかげさま》。辛い時には《お預けする》。そんな思いで、本尊さま・ご先祖さまに手を合わせ礼拝たしましょう。
 
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