◎平成23年9月


 これまで1度も携わったことのなかった災害ボランティア、3月の震災をきっかけに初めて経験しました。何故初めの一歩が踏み出せたのか…強烈な映像を見せられたからなのか?自分も激しい揺れを感じたからなのか?今でもはっきりとは分かりません。
 被災地域をこの目で見たいといった邪な気持ちも否定できませんが、不安を抱えつつ現地に初めて降り立った時、僧侶という立場も、善意の押し売りの思いも、雑多な考えは全て消え失せました。甚大な被害を前に、ただスコップのひと振りひと振りを繰り返すのみ…。
 永年ボランティアに携わってきた先輩は、「他人の幸せを喜べる人は、幸せな人間だ」と言います。たった数回で全部を理解したわけではありませんが、時に損得勘定や褒められたい願望に支配される自分自身、何か人生の課題をいただいたような気がします。


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