◎平成17年7月

   「三輪空寂」(さんりんくうじゃく)という教えがあります。これは、布施をする側も、される側も、施される物までも、3つ全てが等しく清らかでなくてはならないという教えです。
 すなわち、見返りを期待して施すことがあってはならないし、逆の立場で、施されたことが当たり前と思ってはならないわけです。「〜してやったのに…」「これくらいしてもらって当然さ!」などと思ってはいけません。もちろん、施す物も心の底から差し出される物でなくてはならないのです。
 この度、多くの方から沢山の雑巾をお寺にお納めいただきました。一針一針が手縫いのものもありました。どれもみな、清らかな心から差し出していただいた、ありがたいお布施でございました。感謝申し上げます。
 この夏、身近なところで「三輪空寂」の教えに触れさせていただきました。8月のお盆、ご先祖様のお参りも、「してやる」ではなく「させてもらう」でお勤めしましょう。

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