◎平成20年3月


 お釈迦さまの弟子の1人に周利槃特(しゅりはんどく)という方がおられました。大変物覚えの悪い方だったそうで、教えの一節も暗誦できない。お釈迦さまは彼にホウキを与え、「塵を払い、垢を除かん」という一句を授けました。何カ月も何年も周利槃特はその一句を胸に、各所を掃除したといいます。
 根気強くただ一つことに励んだ周利槃特は、身の回りの塵や垢のみならず、自分の心の塵や垢までもすっかり取り除くことができ、後に阿羅漢(あらかん=聖者の位))とまでなりました。
 お釈迦さま曰く「悟りを開くということはたくさんのことを覚えることではない。たとえわずかなことでも徹底しさえすれば、それでよいのである。」
 あれもこれも急いで結果を出さなきゃと慌てふためいたりする前に、ただ一つのことを周利槃特のようにじっくり真面目に務め上げていく。
 さぁ、あなたのテーマは何でしょうか??

 
ひとこと法話TOPへ