◎平成20年5月


 テレビを見ていますとしばしば<評論家>という人が出てまいります。番組を盛り上げるためでしょうか?当事者でないにもかかわらず、激しく煽り立てるような口調で相手の非を咎める。私は、あの姿があまり好きではありません。
 道元禅師さまは、「相手を慈しむ心で正道に導かなくてはならない。相手の過失を言い立て、悪口を言おうとする気持ちを起こしてはならない」
 そして、普段の生活の中で、反りが合わない/意見が合わないなどなど、諫言を口にしなくてはならない時は、「その人が腹を立てないように手段を巡らし、傍ら事を言うようにし指摘せよ」を教えます。
 逆に、慈しみの心をもって諫言を受けた時には、静かにそこに耳を傾ける心構えも必要かもしれません。憎しみむき出しで相手に悪意を持てば、相手も同じように対応するでしょう。そんな悪循環にならないよう、わが心を穏やかに保ちましょう。

 
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