◎平成21年9月


 ノーベル文学賞を受賞した川端康成は、その受賞講演で「本来の面目」と題された道元禅師の和歌を紹介しています。
  春は花 夏ほととぎす 
       秋は月 冬雪さえてすずしかりけり

 日本の国は、四季の移ろいに富んでおります。この秋の刈り入れも、水と太陽と気温の高低あってこそのものであったはずです。経済優先の現代ではありますが、食においても生活においても、私達の原点は、春夏秋冬の豊かな自然と共に生きることにほかなりません。実りの秋を経て、季節は冬に向かいます。寒く厳しい冬ですが、じっと力を蓄えた後に迎える春には、喜びと新しい命の息吹きを感じることが出来るでしょう。
 環境・エコが時代のキ−ワードです。道元禅師の和歌のように、四季の姿を感じ、そこに感謝の念を持つことがその第1歩ではないでしょうか?
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