◎平成24年9月


 お悟りを開いたお釈迦さまを詠んだ御詠歌

       明けの星 仰ぐ心は 人の世の
                    光となりて 天地
(あめつち)に満つ


 菩提樹の下で坐禅に入って約1週間。お釈迦様は、明星の輝きを見てお悟りの確信を得、私たちのこだわりや渇望が人生の苦しみの原因であり、それをしっかりと見つめることが安らぎにつながると説かれました。その教えは現在、曹洞宗の坐禅の姿として伝わっております。いくらでも思うがままに生きられる己
(おのれ)の手綱さばきをするのは、自分自身に他なりません。
 あの震災からすでに1年半が経過しました。発災当時に揺さぶられた私たちの価値観…日頃気に留めないことを思い知らされたあの時を、あたり前が一番尊いというあの思いを、時間が経った今日でも決して忘れてはならないと思います。
 心平らかな人に、安らぎは訪れています。



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