◎平成25年5月

 中学→高校と同級生だった友人が病と闘っています。外科医として医療の第一線で活躍していた彼が、ステージの進んだガンに侵されていると聞いた時は、耳を疑いました。
 医師であるが故に、自らの病状を把握でき、「残念ながら、今後は緩和治療です」という言葉が、非常に重くのしかかります。もし、自分がその立場だったら、冷静で居られるかも正直分かりません。若くして、自らの生命と向き合わなくてはならないことは、言葉に表せないほどツライと思います。
 医師である彼から見たら、退治できない病は、医学の負けを意味するのかもしれません。ですが、その命は、かけがえのない唯一無二の尊い命です。ともしびある限り、彼の命をしっかりと燃やして欲しいと思います。
 「いたずらに 過ごす月日の 多けれど
          
道を求むる 時ぞ少なき」(道元禅師)

 お迎えの瞬間は、だれも予期できません。であればこそ、一歩一歩、生きる時間を大切に…。 

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