◎平成25年11月

 【情けは人の為ならず】ということわざがあります。「情けを掛けることは、結局はその人のためにならない(のですべきではない)」という誤解が、若者を中心に広がっているとの報道がありました。ご承知の如く、「情けは他人のためではなく、いずれは巡って自分に返ってくるのであるから、誰にでも親切にしておいた方が良い」というのが正しい意味です。
 陰徳という言葉が示すように、善根(徳)は他人が見ていようといなかろうと、評価があろうとなかろうと、自らの発心を元に、行いとして積み重ねていくべきものであります。
 ああすればこうなるから…という損得勘定はまかりなりませんが、他を思いやった行いは、結局のところ自我への執着を離れることにつながっているということもできるでしょう。
 見えない縁(むすびつき)に支えられて生きている私達であります。「功徳は廻る」と心に秘め、この1年を納めましょう。

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