◎平成26年3月

 慶雲寺の年忌供養の席では、法要の始まりと終わりに手を合わせる時間を保ちます。最近、ご法事の席に、お子さまをお連れ下さる施主家が数多くございますが、私は、その時のお子さまたちの姿が大好きです。
 大人の方を横目に、一生懸命手を合わせる姿。お焼香に出て合掌し、頭を下げる姿。そんな子供達には、法要のあと「えらかったね、カッコ良かったね」と声を掛けるようにしています。
 突然声を掛けられてキョトンとする一方、褒められて恥ずかしいながらも得意げな表情を浮かべる子供たち。その周りには、ご両親そして祖父母の温かい眼差しの笑顔が広がります。
 ご先祖さまに心を供えることを通じて、世代を超えて自分の命のルーツを感じることが出来る場がご法事の席です。あれやこれやと言葉を並べるこなく自然に、目に見えないものに心を尽くすということも伝わっていくでしょう。次世代へ伝えた物は当家にとっての宝であると同時に、お子さま方には貴重な財産となるに違いありません。

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