◎平成28年11月

 自分を大きく見せようとすると、どこかで無理が生じてきてしまいます。逆に、自分なんかちっぽけだ…垣根を巡らせてしまうと、どんどん卑屈な気持ちになってしまいかねません。「自分を偽らない」とは、得手も不得手もひっくるめてありのままの自分の状態をよく見定めると言い換えることもできるでしょう。
 自分自身をしっかり把握することが出来れば、何をするべきか?がより鮮明に浮かび上がって来ます。目指すのは、学業や仕事の成就か、家族円満か、はたまた健康か?人生の海原をあてどなく漂うのではなく、目的地をしっかりと定め、舵を取り航海していく…。前に進むことはもちろん、時には港で帆を休めることも選択肢の一つです。
 禅の教えでは、発心→修行の繰り返しが重んじられます。何度も[心]ながら、毎日を積み重ねていくこと。振り返れば、間違いなくきれいな航跡が刻まれているはずです。

ひとこと法話TOPへ